マルセイユ旅行後に今までに経験したことのない風邪をひいた

 フランス現地ルポ  403

10月は本当に苦しかった。やっと回復した。

思い返せば、マルセイユに旅に出ていた10月の初旬。寒くなってきたパリとは対照的に、まだ夏のように暑かった。その後半月以上続く体調不良の直接の原因ではないと思うが、ゴミの収集業者がストライキを起こしていたせいで、町中にゴミが溢れかえっていて、とても空気が汚かったし、時折り生ゴミの腐ったような臭いがした。

ゴミがあちこちに散乱していた。

そんな中ではあるが、一緒に来ていた同僚と計画していた海釣りをした。波止場でシンプルな五目釣り。釣竿と糸は事前にAmazonフランスで購入していたのが、釣り針や餌となる青虫は、マルセイユ旧港周辺にあるPecheForLifeと言う釣具屋で調達した。

売れずに長期間残っていたせいか、やけにデカい青虫だった。1パックで1,300円ぐらい。

見た目はグロテスクだが、最強の餌だ。

釣具屋の若い男性店員の話では、「この近くでも問題なく釣れるよ。Pas de problème!」ということだったので、旧港から少しだけ海側に移動したところで、竿を投げた。

何度かカヌーを漕いでいる人たちが前を通り過ぎていった。

こんな観光地まで来て、わざわざ釣りをする人は居ないだろうと思っていたけれど、他にも何人か居た。中には竿を使わず糸だけで直接釣りをしている変わり者まで居た。

夕方の2時間ほど粘って、餌取りの小魚がそれぞれ1匹ずつ釣れた。時期も潮目も最悪な状況で、よく釣れたもんだなぁと思うのだが、実際のところ、「あなた、何か竿にかかってるみたいよ!」と通りすがりのマダムから言われて釣れていることに気づくという何とも情けない釣れ方だった。

さらばマルセイユ。

その後、何やかんやあってパリに戻ったわけだが、その翌日にはマルセイユ市内で大雨が降った。洪水が発生して、回収されずに残っていた町中のゴミが海に流れてビーチを埋め尽くしたらしい。ストライキを起こしたごみの収集業者は余計な仕事が増えてさらに大変になったのだろうか。

自分に降りかかった悲劇の方は、マルセイユ旅行からちょうど1週間後の日曜日の夜から始まった。「どうも喉が痛いな、もしかして風邪かな?」というぐらいから始まり、翌日の月曜日には急激に悪化して、仕事もままならなくなった。38度5分の高熱が出た。鼻水と咳が出て、嗅覚と味覚に障害が出た。4日目の水曜日には、咳が悪化し今までに経験したことのない息苦しさを感じる場面もあった。咳でこんなに苦しいのは生まれて初めてで、救急車を呼ばないといけないのではと本気で思ったぐらいだ。

まぁ仕事もほどほどに安静にしていたのが良かったのか、徐々に快方に向かっていき、2週間ぐらいかかって治った。通常の風邪ならば2〜3日で治るのだが、えらく長引いたもんだ。旅の疲れが祟ったのか何なのかわからないが、異国の地で体調不良は恐ろしいものであるなと痛感した。



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